変わり方のワザ、教えます

第2回  まず意識化、そして習慣化

1 意識が変われば行動が変わる
「意識が変われば行動が変わる」「行動が変われば習慣が変わる」「習慣が変われば人間性が変わる」「人間性が変われば人生が変わる」という言い伝えがあります。
では「意識が変わる」ためにはどうしたらいいのか。それは「こういう行動をしたい」「この行動をこう変えたい」という具体的な行動をまず意識化することです。「こうしたい」「こう変えたい」という意思がなかったら変わるはずはないからです。
まず意識化して実行してみる、そして実行を繰り返していくと習慣化されます。習慣化されると無意識で行動できるようになります。そしてまた新しいテーマを見つけて、意識化、習慣化を繰り返していきます。
私は今までいくつかの行動を意識化、習慣化してきました。今回はその中から二つの事例を紹介しましょう。それは「レスポンス力を高める」と「整理、整頓をする」です。この二つのことは簡単で単純なことですが、この習慣を身につけることによって私の人生は大きく変わりました。

2 レスポンス力を高める 
レスポンスとは日本語でいえば、「返答」「応答」、「反応」ということでしょうか。
「同志塾」ではお互いに話を聴きあうときに「うなずく」ことを意識して実行するようにしています。「うなずく」という行為をすることによって、相手に対する気づかいを習慣として身につけていきたいからです。
レスポンス力の高い人はいつでも気持ちのよい挨拶をします。「おはようございます」という朝の挨拶は「今日も同僚と一緒に気持ちよく仕事をしたい」という意識の現れです。また「ありがとう」という言葉を習慣として口に出せるようになると生涯の財産になります。どんな小さなことでも他人から何かをしてもらったときには意識して「ありがとう」と言ってみましょう。
笑顔も重要なレスポンス力のひとつです。笑顔ができるようになるためには、最初は意識してやってみることです。すると次第にその人の人柄と個性を表すような自然な笑顔が身についていきます。
「無財の七施」という教えがあります。「ありがとう」という感謝の言葉は「言辞施」、そして笑顔は「顔施」といいます。
日常生活の中でレスポンス力を高めるための練習として私がお勧めするのは、手紙や電子メールを受け取ったらすぐに返事を出すことを意識して実行することです。
レスポンスのいい人は周囲に安心感を与えることができます。そしてその恩恵は自分に返ってきます。

3 整理、整頓をする
ある会社では整理、整頓を次のように定義して実行を徹底しております。
整理とは「要るものと要らないものを分別し、要らないものを処分すること」、整頓とは「そのものの本来あるべき場所にきちんと備えておくこと」ということです。
整理、整頓は職場だけではなく、家庭でも意識して実行していくことをお勧めします。整理、整頓された状態をつくっておくと次第に心が整って穏やかになってきます。そして「整っている、乱れている」という状況に五感が敏感に反応するようになります。
「一事が万事」というようにこの習慣が身につくと、仕事の仕方も丁寧になり、ミスが少なくなっていきます。

4 「少しよいこと」を見つける
私は十数年前に、ある人から「少しよいことを長く続ける」ことが大切だということを教わりました。それ以来、私は「少しよいこと」を見つけるように心がけ、それを意識化、実行、習慣化してきました。世の中にはこの「少しよいこと」がたくさんあります。朝の挨拶、笑顔、感謝の言葉、手紙の返事、整理整頓などはすべて「少しよいこと」なのです。ぜひ自分自身で「少しよいこと」を見つけて意識化してみましょう。そしてこの「少しよいこと」の習慣のレパートリーを広げていきましょう。

5 改善したいことを意識化する
変わるためのいちばんよい方法は自分自身の長所を伸ばしていくことです。しかし人は誰でも不完全ですから、改善しなければならない態度、行動があります。特に周囲に不快の気持ちを与えるような悪い習慣や悪い癖などは修正が必要です。これらは多くの場合、殆ど無意識で行なっています。自分自身の改善点を見つけて意識化して、修正していく、これを継続できる人は人間として成長し続けることができます。
改善点を自分で気づければいいのですが、これがなかなか難しいのです。そこで親しい友人から改善点をフィードバックしてもらいます。他人から自分の改善点を指摘してもらうのは辛いことですが、それを乗り越えないと変わることに限界が出てきます。
「成長するために変わり続ける」という目的を持って欠点、短所の改善も含めて変わっていきましょう。
習慣には「行動の習慣」の他に「心の習慣」があります。「心の習慣」とは「その行為は何のためにするのか」という目的を考える習慣のことです。「人間として成長したい」「よい人間関係を結びたい」「健康になりたい」などの目的がはっきりしていれば、手段としての行動を継続することができます。継続があってこそ、「行動の習慣」を変えたり、「行動の習慣」の幅を広げたりすることができるのです。(第2回完)


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